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デビアスが語る「不完全の美」― ブラウンダイヤモンドが映す“価値の再定義” ―
執筆者 Amu Kawamoto (IGI Lab-Grown Diamond Professional Training 認定) デビアスが提唱する「Desert Diamond」キャンペーンを象徴するブラウンダイヤモンド。多様性と個性を肯定する新しい価値観の象徴。 1. デビアス ブラウンダイヤモンド再定義──「Desert Diamond」キャンペーンとは 2025年、De Beersがニューヨークで発表した「Desert Diamond」キャンペーン。 かつて“価値が低い”とされたブラウンダイヤモンドを、「ユニークな個性」として再定義しました。 出典:[JCK Online – De Beers launches Desert Diamonds (2025)] ( https://www.jckonline.com/editorial-article/why-de-beers-desert-diamonds/?utm_source=chatgpt.com ) “完璧な白”から“多様な色”へ。 この転換は、デビアス ブラウンダイヤモンドの価
11月3日読了時間: 2分


なぜラボグロウンダイヤモンドは過小評価されるのか― “本物”という幻想をめぐって ―
執筆者 Amu Kawamoto (IGI Lab-Grown Diamond Professional Training 認定) ラボグロウンダイヤモンドの価値が社会構造によって過小評価されることを象徴するビジュアル。透明な壁を隔てて二つの輝きが並ぶ。 1. ラボグロウンダイヤモンドの価値は“科学”ではなく“構造”に左右されてきた ラボグロウンダイヤモンド(Lab-Grown Diamond)は、化学的にも物理的にも天然と同一の結晶構造を持つ。 それにもかかわらず長年、「模造品」「代替品」と呼ばれてきた理由は、科学ではなく**経済構造**です。 天然ダイヤは、大手鉱山企業が供給をコントロールし、「希少性」というストーリーで市場を支配してきました。つまり、ラボグロウンダイヤモンドの価値が過小評価されてきたのは、科学的な差ではなく社会的な仕組みによるものなのです。 2. 「希少性」という神話がつくった価値の壁 ダイヤモンドの価値を形成したのは、1947年のDe Beersによる広告「A Diamond is Forever」。 この言葉が、愛=永遠
10月27日読了時間: 3分


日本初開催のIGIラボグロウンダイヤモンドプロフェッショナルトレーニング修了のお知らせ
執筆者 Amu Kawamoto (IGI Lab-Grown Diamond Professional Training 認定) 日本初開催となるIGI公式トレーニングを修了 このたび円山プレシャスは、国際的な鑑定機関である IGI(International Gemological Institute) による「ラボグロウンダイヤモンドプロフェッショナルトレーニング」を修了いたしました。 本トレーニングは日本で初めて開催されたものであり、当店はその第一期修了者となります。 IGIとは IGI(インターナショナル・ジェモロジカル・インスティテュート)は、世界中のダイヤモンド業界で信頼される鑑定・教育機関です。ラボグロウンダイヤモンドに関しても先駆的な研究と教育を行い、国際基準に基づいた正確な知識を提供しています。 修了により得られる専門性 今回の修了により、円山プレシャスは以下の点でお客様へより高い品質のサービスをお届けできます。 国際基準に基づいた正しい知識によるご案内 天然ダイヤとラボグロウンダイヤの違いを明確に説明 ラボグロウン市
8月23日読了時間: 2分


「ラボダイヤの価値」とは?天然ダイヤとの比較で見えてくる主体的な選択の本質
執筆者 Amu Kawamoto (IGI Lab-Grown Diamond Professional Training 認定) 「価値を象徴するラウンドカットダイヤモンドと光の演出が際立つビジュアル。ラボダイヤと天然ダイヤの価値比較を示唆する印象的な構図。」 ラボダイヤの価値を問う時代へ 「ラボダイヤ 価値」という検索ワードに象徴されるように、今、多くの人がその本質を見極めようとしています。単なる価格の安さだけではなく、「それが本当に“価値ある選択”なのか?」という視点が求められるようになってきたのです。 天然ダイヤは「価値がある」のか?その根拠とは 希少性という“信仰” 天然ダイヤモンドは「地球上に限られた量しか存在しない」ことから、しばしば**“希少性がある=価値がある”**とされてきました。しかし、実際の市場においてこの希少性が再販価格に反映されているかといえば、答えはノーです。 例えば、中古市場で売却された天然ダイヤが購入時の価格を維持できる例はごく一部で、ほとんどのケースで 大幅な値崩れ が発生しています。 「贈り物だから天然が良い
6月19日読了時間: 3分


ラボダイヤモンド市場動向を読み解く:広がる受容と選好の分岐点
執筆者 Amu Kawamoto (IGI Lab-Grown Diamond Professional Training 認定) ラボダイヤモンド市場動向の全体像 近年、ジュエリー業界で急速に注目を集めているのが「ラボグロウンダイヤモンド」、通称ラボダイヤです。中でも「ラボダイヤモンド 市場動向」は大きな関心を集めており、今や価格面・品質面で天然ダイヤモンドと比較される存在となっています。 最新の米国市場調査によると、ラボダイヤモンドの認知と受容は着実に拡大しているものの、購入時における「第一選択」としての位置づけには一定の揺らぎが見られます。 受容は広がるが、選好には変化が 婚約指輪としての受容率は74% Plumb Clubが2025年に実施した調査では、婚約指輪として「ラボダイヤを受け入れる」と答えた人は74%、ファッションジュエリーでは83%に上りました。これは、以前よりも受容が一般化してきた証拠と言えます。 一方で「ラボダイヤが好き」と明言する人は減少 対照的に、「ラボダイヤモンドを天然よりも好む」と答えた人はわずか33%にとどまり、
6月19日読了時間: 3分


デビアス撤退の真相:なぜ世界最大のダイヤ企業はラボグロウン市場から去ったのか?
執筆者 Amu Kawamoto (IGI Lab-Grown Diamond Professional Training 認定) 2025年5月、ダイヤモンド業界に大きな転機が訪れました。世界最大のダイヤモンド企業「デビアス」が、自ら手がけたラボグロウンブランド「Lightbox」を終了するという公式声明を発表したのです。この出来事は単なる事業整理ではなく、業界のパワーバランスや未来の構造に深く関わる可能性を秘めています。本記事では、円山プレシャスの視点から、デビアスの真意とラボグロウン市場の未来について紐解いていきます。 デビアス Lightboxとは何だったのか? 2018年、デビアスは突然「Lightbox」というブランドを立ち上げ、1カラット800ドルという破格の価格でラボグロウンダイヤモンドを販売し始めました。この価格設定は当時の常識を覆し、市場に衝撃を与えました。 しかし、同時にLightboxは「婚約指輪ではなく、ファッション用途に」と強調し、天然ダイヤモンドとの違いを明確に線引きしました。これにより、多くの業界関係者が「これは市
6月4日読了時間: 4分


古墳・飛鳥・奈良時代のジュエリー|日本のジュエリーの歴史シリーズ 第2回
執筆者 Amu Kawamoto (IGI Lab-Grown Diamond Professional Training 認定) 古墳時代の金の耳飾りや勾玉、飛鳥・奈良時代の仏教モチーフをあしらった金属ジュエリーのセット。日本古代の王権文化を象徴する装飾品群。 日本のジュエリー文化が「装飾品」から「社会的・精神的象徴」へと進化したのが、古墳・飛鳥・奈良という三つの時代です。この時代に生まれた装飾品は、王権の象徴であり、宗教の道具であり、外交の道具でもありました。 この記事ではまず、時代ごとのジュエリーの特徴を 一覧で概観 し、その後に 詳しい読み物としての解説 をお届けします。 【概要】 各時代のジュエリーの特徴まとめ 古墳時代 勾玉や金属装飾が副葬品として使われ、王権や祖先信仰の象徴に。朝鮮半島からの技術も影響。 飛鳥時代 仏教の伝来により、蓮や光背など宗教的モチーフが登場。宮廷・寺院文化と共に工芸が洗練。 奈良時代 正倉院宝物に代表される国家的装飾文化。螺鈿・宝石・国際的技法が融合。 【本文】 日本ジュエリーの歴史における王権と装飾の始まり
5月21日読了時間: 3分


縄文・弥生時代のジュエリー文化|日本のジュエリーの歴史シリーズ 第1回
執筆者 Amu Kawamoto (IGI Lab-Grown Diamond Professional Training 認定) 日本のジュエリー文化は、単なる装飾品ではなく、古代から「呪術」「権力」「信仰」の象徴として人々の暮らしに深く関わっていました。 本シリーズではその歴史を時代ごとにたどります。第1回となる今回は、縄文時代と弥生時代のジュエリーを取り上げ、素材・造形・社会的背景を詳しく紹介します。 日本のジュエリーの歴史・起源:縄文時代のジュエリー 縄文時代は、日本ジュエリーの最古の時代であり、自然素材を活かした装飾品が作られていました。これらは単なる装飾ではなく、魔除けや呪術の意味を持ち、人々の精神文化と深く結びついていました。 主要な素材と技法 ・翡翠(新潟県糸魚川産) ・貝殻や動物の骨を使ったネックレス ・粘土製の耳飾りやペンダント ・環状石製品(リング状の石製品) 縄文ジュエリーの呪術的な意味 ・自然信仰に基づく護符としての役割 ・翡翠や骨の装飾品は病や災厄除けとされた ・環状石製品は呪術師やリーダー階層の象徴 弥生時代のジュ
3月16日読了時間: 2分


宝石の鑑定書と鑑別書の違いとは?失敗しないジュエリー選びの基礎知識
執筆者 Amu Kawamoto (IGI Lab-Grown Diamond Professional Training 認定) 宝石を購入する際に「鑑定書付きです」と言われたことはありませんか?あるいは「これは鑑別書です」と手渡されたことは? どちらもジュエリーの正当性や品質を証明する大切な書類ですが、目的も役割もまったく異なります。本記事では鑑定書と鑑別書の違いをわかりやすく解説し、安心してジュエリーを選ぶために知っておくべき基礎知識をお届けします。 概要 鑑定書・鑑別書の違いまとめ 鑑定書:主にダイヤモンドを対象に「品質(4C)」を評価する書類 鑑別書:あらゆる宝石の「種類と処理の有無」を確認する書類 ラボグロウンダイヤモンドにも専用の鑑定書がある 鑑定機関ごとに評価基準や信頼性が異なるため、発行元にも注目 書類は基本的に有効期限がないが、古いものは再鑑定が推奨されることも 鑑定書とは何か? 「鑑定書(グレーディングレポート)」は、特にダイヤモンドに対して発行される書類です。このレポートには、「4C」と呼ばれる国際基準に基づいて評価された
3月8日読了時間: 3分
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