縄文・弥生時代のジュエリー文化|日本のジュエリーの歴史シリーズ 第1回
- Admin
- 3月16日
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更新日:10 時間前

日本のジュエリー文化は、単なる装飾品ではなく、古代から「呪術」「権力」「信仰」の象徴として人々の暮らしに深く関わっていました。
本シリーズではその歴史を時代ごとにたどります。第1回となる今回は、縄文時代と弥生時代のジュエリーを取り上げ、素材・造形・社会的背景を詳しく紹介します。
日本ジュエリーの起源:縄文時代のジュエリー
縄文時代は、日本ジュエリーの最古の時代であり、自然素材を活かした装飾品が作られていました。これらは単なる装飾ではなく、魔除けや呪術の意味を持ち、人々の精神文化と深く結びついていました。
主要な素材と技法
・翡翠(新潟県糸魚川産)
・貝殻や動物の骨を使ったネックレス
・粘土製の耳飾りやペンダント
・環状石製品(リング状の石製品)
縄文ジュエリーの呪術的な意味
・自然信仰に基づく護符としての役割
・翡翠や骨の装飾品は病や災厄除けとされた
・環状石製品は呪術師やリーダー階層の象徴
弥生時代のジュエリーと階層社会
弥生時代には稲作農耕と共に社会が階層化し、ジュエリーも「身分・権力の象徴」へと変化していきます。
主な素材と装飾品
・青銅製の銅鏡・銅鐸(中国からの影響)
・ガラス玉(瑠璃)=洗練された意匠が登場
・勾玉=首長クラスの権力者の象徴
弥生ジュエリーの社会的役割
・装飾品が社会階層の可視化手段に
・古墳から出土するガラス玉や勾玉は権威の証
・青銅器の登場で高度な工芸文化が育つ
縄文・弥生時代ジュエリーの意義
この2時代のジュエリーは、装飾性だけでなく「呪術的・政治的・社会的な意味合い」が強く、後の古墳文化へと繋がる日本独自のジュエリー観を育みました。
時代別ジュエリーまとめ
時代 | 主な素材・装飾品 | 役割 |
縄文時代 | 翡翠・骨・貝・粘土 | 呪術・魔除け |
弥生時代 | 勾玉・ガラス玉・青銅器 | 身分・権力の象徴 |
次回予告
次回の「日本ジュエリーの歴史」シリーズでは、古墳・飛鳥・奈良時代のジュエリーを解説します。王権文化の中で誕生した華やかな金属装飾品と、仏教美術の影響を受けた意匠を紹介します。
→ 【次の記事】古墳・飛鳥・奈良時代のジュエリー(リンク予定)
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