中国、ダイヤモンド税優遇撤廃による市場再編とラボグロウンダイヤの台頭
- 2月22日
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執筆者
Amu Kawamoto (IGI Lab-Grown Diamond Professional Training 認定)
概要
2025年11月、中国政府は上海ダイヤモンド取引所(SDE)を通じた研磨済み天然ダイヤモンドへの税優遇措置を終了した。これにより、天然ダイヤの輸入コストが上昇し、国内価格や在庫管理、流通経路に見直しが進んでいる。本件は、天然ダイヤモンド市場の「構造的転換」が顕在化した事例である。 <h2>税優遇撤廃の背景</h2> 中国では、金・プラチナを含む貴金属資源全体で税還付・優遇制度を整理する政策が進められている。ダイヤモンドもその対象となり、輸入段階での価格優位性は縮小した。この結果、天然ダイヤの調達コストは上昇し、従来型の販売モデルは持続性を失いつつある。
天然ダイヤモンド市場への影響
・輸入時の税負担増加 ・卸売・小売価格の上昇 ・在庫回転リスクの強化 ・1ct前後の婚約指輪帯への影響が特に顕著
この変化は、天然ダイヤを「価格前提」で選ぶ時代が終わりつつあることを意味する。
主要国別に見る市場規模
2018年時点の研磨済みダイヤ需要において、米国が最大市場であるが、Greater China(中国本土・香港・マカオ)は二桁シェアを占め、世界市場における影響力は極めて大きい。

図:2018年 研磨済みダイヤ需要の国別シェア
中国市場シェアの推移(長期視点)
中国本土の天然ダイヤ需要シェアは2000年代に拡大し、2014〜2015年にピークを迎えた。その後、経済環境・婚姻率変動・消費トレンドの変化により、2022年時点では約10%前後へと調整されている。

図:中国本土における天然ダイヤジュエリー需要シェア推移(2000–2022)
ラボグロウンダイヤモンドが優位になる理由
・供給が安定している
・品質情報が透明で説明可能性が高い
・価格が市場構造の影響を受けにくい
・オンライン完結型の購買プロセスと親和性が高い
天然ダイヤが象徴性に依存していたのに対し、ラボグロウンは 合理性・品質・理解可能性 を軸に選択される。
参考:ラボグロウンダイヤモンドの定義と特性
CVD製法とHPHT製法の違いについて
・CVD法 解説:https://www.mprecious.net/post/https-maruyama-precious-jp-blog-labgrown-diamond-cvd-method
当社の方針
当社はオンライン完結・受注生産を基本とし、ラボグロウンダイヤを中心に設計・提供している。各リング・ストーンの仕様・価格根拠・納期を数値ベースで提示し、購入判断を構造的に行える環境を整えている。
結論
・中国の政策変更は、天然ダイヤ市場の価格構造に直接影響を与える
・中国市場は縮小しているが、依然として世界規模に影響力を持つ
・市場の価値基準は「象徴性」から「合理性」へと移行している
・ラボグロウンダイヤは、その流れの中心に位置する選択肢である



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