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HPHT法とは?ラボグロウンダイヤモンドの製造法を徹底解説【ラボダイヤ製造法シリーズ 第1回】

  • 執筆者の写真: Admin
    Admin
  • 1月21日
  • 読了時間: 2分

更新日:6月1日

はじめに|HPHT法とは何か?


ラボグロウンダイヤモンドには、主に「HPHT法」と「CVD法」の2つの製造技術があります。本記事ではそのひとつである**HPHT法とは何か?**に焦点を当て、誕生の歴史からプロセス、特徴、成功率まで詳しく解説します。

このシリーズでは後半でCVD法についても解説予定ですので、両者の違いを理解したい方はぜひ最後までご覧ください。


HPHT法によるラボグロウンダイヤモンド生成プロセスを描いた教育用イラスト

HPHT法の原理とプロセス


種結晶と炭素源の配置

まず天然もしくは合成のダイヤモンドを「種結晶」として準備し、その近くにグラファイトなどの炭素源を配置します。


高温高圧の環境を再現

専用のプレス装置により、以下の条件を再現します:

  • 圧力:5~6GPa(地球の深部に相当)

  • 温度:1,300~1,600℃

この条件下で炭素が溶け、種結晶の周囲に新しいダイヤモンドが成長します。



HPHT法の特徴と課題


メリット

  • 製造コストが比較的低い

  • 大粒のダイヤモンドも製造可能

  • 工業用・宝飾用の両方に対応可能


デメリット

  • 窒素の混入により黄色味が出やすい

  • IF〜VVSレベルの高品質ダイヤの製造は難易度が高い


HPHT法の歴史と進化

HPHT法は1950年代にアメリカのGE(ゼネラル・エレクトリック社)によって初めて成功しました。当時は工業用が中心でしたが、技術の進化により、現在ではジュエリー用にも高品質なダイヤモンドが供給されています。

さらに近年では、ブルーやピンクのカラーダイヤモンドの製造にも応用され、多彩なデザインのニーズに対応しています。



品質・サイズ別の製造成功率


品質別成功率

  • IF〜VVS(高品質):約70%

  • VS〜SI(中品質):約85%

  • Iクラス(低品質):約95%


カラット数別成功率

  • 1カラット以下:約90%

  • 1〜2カラット:約80%

  • 2カラット以上:約60%

サイズが大きくなるほど結晶の制御が難しくなり、成功率は低下します。



まとめ|HPHT法とは、ラボグロウン技術の原点


HPHT法とは、天然の成長環境を再現する革新的な製造法であり、ラボダイヤモンド誕生の原点でもあります。その技術は今も進化を続けており、大粒やカラーダイヤモンドなど、多様な需要に応える手段として重要な役割を担っています。

次回は「CVD法とは?」をテーマに、HPHT法とは異なるもう一つの成長メカニズムについて詳しく解説します。ぜひ続けてご覧ください。







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