金の価値の裏付け
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- 2023年7月14日
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更新日:11月9日
執筆者
Amu Kawamoto (IGI Lab-Grown Diamond Professional Training 認定)
金の希少性と価値
金は地球上で非常に希少な鉱物であり、その存在量は地殻全体のわずか0.001%程度とされています。このため、金は古代より価値のある資源として重宝されてきました。
金の物理的性質
金は非常に重く、高い融点(1,064℃)と優れた電気伝導性を持つ金属です。これらの特性により、ジュエリーだけでなく電子機器や医療機器などの分野でも活用されています。
金の歴史的用途
古代エジプトでは金が王族や神聖の象徴とされ、装飾品やファラオの墓に多く使われました。古代ローマでは金貨が共通通貨として流通し、金は国家の経済基盤を支えてきました。
投資商品としての金
金はインフレや通貨価値の下落に対する「安全資産」として位置づけられており、不況時に資金が集まりやすい特性を持ちます。金の価格は比較的安定しており、長期的に価値を維持しやすいことから多くの投資家に選ばれています。
金本位制の影響
かつて世界各国では金本位制が採用されており、通貨の価値が金の保有量によって裏付けられていました。金本位制は通貨供給を制限し、経済の安定に寄与したものの、戦争や経済危機を経て20世紀初頭に多くの国で廃止されました。
金の採掘と埋蔵量
金の採掘は技術的にも環境的にも困難を伴います。現在の主な産出国は、南アフリカ、オーストラリア、ロシア、米国、カナダなどで、それぞれ豊富な鉱脈を抱えています。環境負荷を最小限に抑えた持続可能な採掘方法の重要性も高まっています。
金の需要と供給
金の需要は主に以下の3つに分類されます:
宝飾品用途:世界的に常に安定した需要があり、特にインドや中国で高い人気があります
工業用途:電子部品や医療機器などに用いられています
投資用途:ETF(上場投資信託)や金地金などへの投資が一般的です
供給は主に新規採掘とリサイクルによって支えられ、需給バランスが価格に影響を与えています。
金取引市場
金は国際的に取引されており、主な取引市場は以下のとおりです:
ロンドン地金市場(LBMA)
ニューヨーク商品取引所(COMEX)
上海金取引所(SGE)
これらの取引所で決定される価格は、世界中の金価格に影響を及ぼします。
金の用途
金はその美しさだけでなく、化学的安定性や高い導電性を持つため、様々な分野で使用されています:
ジュエリー(装飾品)
電子機器(半導体、接点材料)
医療機器(人工関節など)
航空宇宙産業(高耐久材料)
歯科治療(金合金)
金価格の変動
金の価格は、以下の要因に大きく左右されます:
世界経済の動向
インフレ率と金利
地政学的リスク(戦争・政情不安)
通貨の信用不安(ドル安など)
これらの不確実性が高まると、投資家が金を「安全な逃避先」として選ぶ傾向が強まります。その結果、金の価格が上昇する場合があります。


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