CVD法とは?ラボグロウンダイヤモンドの製造法を徹底解説【ラボダイヤ製造法シリーズ 第2回】
- Admin
- 1月21日
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更新日:4 日前

ラボダイヤ(正式名称:ラボグロウンダイヤモンド)の製造方法には、主に2つの手法があります。本記事ではそのうちのひとつ、「CVD法(化学気相成長法)」について詳しくご紹介します。CVD法は、高純度で無色透明なダイヤモンドの生成に適しており、持続可能なジュエリーの未来を支える製造技術として注目されています。
CVD法(化学気相成長法)とは?
CVD(Chemical Vapor Deposition)法は、プラズマを用いた化学反応により、ガス中の炭素を基板上に堆積させてダイヤモンドを成長させる手法です。この方法は極めて高い純度と透明度のダイヤモンド生成に適しており、現在では宝飾用途としても広く利用されています。
CVDダイヤモンドの製造プロセス
【基板の準備】
小さなダイヤモンド片(種結晶)を基板として使用します。
【ガスの供給】
チャンバーにメタン(CH₄)などの炭化水素ガスと水素ガスを導入します。
【プラズマ処理と成長】
チャンバー内でプラズマを発生させてガスを分解。炭素原子が基板に堆積し、結晶として成長していきます。
CVD法の特徴とメリット
・極めて高純度なダイヤモンドが得られる(窒素などの不純物が少ない)・無色透明な石の生成が容易・厚みや形状をコントロールしやすい・環境への負荷が小さく、サステナブルな技術として注目されている
CVD法の歴史と技術の発展
CVD法は1980年代に研究開発が始まり、1990年代には宝飾用途への応用が進みました。元々は工業分野で用いられていた薄膜生成技術でしたが、改良が進む中で宝石品質のダイヤモンドが製造可能になりました。
CVD法による製造成功率
【品質別の成功率】
・高品質(IF~VVS):約90%・中品質(VS~SI):約95%・低品質(Iクラス):約99%
【カラット数別の成功率】
・1カラット以下:約95%・1〜2カラット:約90%・2カラット以上:約75%
精密制御が可能なため、高品質ダイヤモンドの安定供給に非常に向いています。
HPHT法との比較とまとめ
HPHT法は大粒かつやや色味のあるダイヤモンドに適し、CVD法は無色透明かつ高純度な製造に特化しています。目的や好みに応じて、両者の違いを理解して選ぶことが重要です。次回の記事では、HPHT法の詳細とCVD法との比較をさらに深掘りしていきます。
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