宝石の鑑定書と鑑別書の違いとは?失敗しないジュエリー選びの基礎知識
- Admin
- 3月8日
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更新日:2 日前

宝石の鑑定書と鑑別書とは?
宝石を購入する際、「鑑定書」や「鑑別書」という言葉を耳にすることが多いでしょう。これらはどちらも宝石の品質や種類を証明する重要な書類ですが、目的や内容が異なります。本記事では、鑑定書と鑑別書の違いや目的、制定された経緯、歴史、そして見方について詳しく解説します。
1. 鑑定書と鑑別書の違い
鑑定書(グレーディングレポート)とは?
鑑定書は、主にダイヤモンドに対して発行されるもので、宝石の品質を評価するものです。国際的に定められた「4C(カラット・カラー・クラリティ・カット)」の基準に基づいて、ダイヤモンドのグレードを数値化し、客観的に評価します。
【主な記載内容】
カラット(Carat):重量(ct)
カラー(Color):色の評価(D~Zのグレード)
クラリティ(Clarity):内包物(インクルージョン)の有無(FL~I3のグレード)
カット(Cut):プロポーションや仕上がり(Excellent~Poorのグレード)
蛍光性(Fluorescence)
ダイヤモンドの写真やプロポーション図
鑑定書は、GIA(米国宝石学会)やCGL(中央宝石研究所)などの権威ある機関が発行することで信頼性が高まります。
ラボグロウンダイヤモンドの鑑定書について
ラボグロウンダイヤモンド(合成ダイヤモンド)も、天然ダイヤモンドと同様に鑑定書が発行されます。ただし、ラボグロウンであることが明確に記載される点が異なります。
【ラボグロウンダイヤの鑑定書の特徴】
天然ダイヤモンドとは別のカテゴリとして扱われる
通常「LAB GROWN」または「SYNTHETIC」と明記される
GIA、IGI、GCAL、CGLなどが鑑定を行い、4C評価も記載
製造方法(HPHTまたはCVD)が記載される場合もある
通常、ガードル部分に「LAB GROWN」の刻印が施される
ラボグロウン特有の内包物や成長パターンの解析結果が記載される場合もある
ラボグロウンダイヤモンドの鑑定書は、消費者が購入時に天然ダイヤモンドとの違いを理解し、適正な価格評価を受けるために重要です。
鑑別書とは?
鑑別書は、宝石の種類や処理の有無を証明するものです。ダイヤモンド以外のカラーストーン(ルビー、サファイア、エメラルドなど)や真珠にも適用されます。
【主な記載内容】
宝石名(ルビー、サファイアなど)
鉱物名(コランダム、ベリルなど)
処理の有無(加熱、無処理、人工処理など)
産地(場合によっては記載)
鑑別結果の詳細
鑑別書は宝石の品質ではなく、あくまで「その宝石が何であるか」を示すものです。
2. 鑑定書・鑑別書の有効性と市場での扱い
鑑定書や鑑別書に有効期限はないが、古いものは市場評価が変わる可能性があるため、再鑑定が推奨されることがある。
鑑別書は宝石の種類を証明するものだが、市場価値を保証するものではない。
ラボグロウンダイヤモンドは市場での価格が変動しやすいため、将来的な価値を考慮して購入することが重要。
鑑定機関ごとの違い
鑑定機関 | 特徴 |
GIA(米国宝石学会) | 世界的に最も厳格な鑑定機関。特にダイヤモンド評価で信頼度が高い。 |
IGI(国際宝石学研究所) | ラボグロウンダイヤモンドの評価に強い。ヨーロッパやアジアで人気。 |
AGS(米国宝石学協会) | 特にカット評価に重点を置いた鑑定を行う。 |
CGL(中央宝石研究所) | 日本国内の主要鑑定機関。信頼性が高い。 |
3. 鑑定書・鑑別書の見方
鑑定書の見方
グレードの確認:カラット、カラー、クラリティ、カットの評価をチェック。
蛍光性:強い蛍光があると価値が下がることも。
鑑定機関の信頼性:GIAやCGLなど、国際的に評価の高い機関のものを選ぶ。
ラボグロウンの場合は「LAB GROWN」の記載があるか確認
デジタル鑑定書の活用:近年ではオンラインで確認できるデジタル鑑定書(GIA Report Checkなど)も普及している。
鑑別書の見方
宝石名と鉱物名の一致:例えば、ルビー(宝石名)とコランダム(鉱物名)。
処理の有無:無処理の宝石は希少価値が高い。
産地情報:一部の鑑別書には産地情報が記載されることも。
合成石や処理石の有無をチェック
模造石との違い:キュービックジルコニア(CZ)、モアサナイト(Moissanite)などの模造石とは異なる点を確認。
まとめ
鑑定書と鑑別書は、それぞれ異なる目的を持つ重要な書類です。ラボグロウンダイヤモンドについても、専用の鑑定書を確認し、適正な評価を受けることが大切です。特に購入時には、信頼できる鑑定機関の発行する書類を確認し、天然か合成か、処理の有無を理解することが重要です。正しい知識を持ち、安心して宝石を選びましょう。
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